私のELVES VANYARはボトムブラケット(以下BBに略)の規格はBB86です。
時計回りに締めるとBB同士が中央に引き込まれて圧入されるタイプのBBでフレーム購入時に付いてきたものを使っています。
セラミックベアリングが使用されており、回転は良かったのですが走行距離700kmくらいで片側がシャリシャリ鳴るようになったため両側とも同径のNSK(日本精工)の6805DDU(両面接触シール)のベアリングに打ち換えてあります。
今でも回転はスムーズなのですが、より抵抗の少ない非接触シールのベアリングに換えて違いを体感できるのか試してみたく交換してみることにしました。
購入したベアリング

KOYO(ジェイテクト)さんの非接触ゴムシールのベアリングです。
今話題の鬼ベアリングではなく普通のラジアルベアリングです。
型番は6805 2RU、内径25mm、外径37mm、幅7mmのスチールベアリングです。
2RUは両面非接触シールの意味です。(メーカーによって表示が違います)
モノタロウで1コ600円ほどで2コ購入しました。
BBのベアリングについて

BBは水や泥等の汚れが侵入しやすい場所に取り付けるパーツなので通常は両面接触シールのラジアルベアリングが付いています。
今回交換するベアリングは両面非接触シールです。
両面非接触シールは回転抵抗が低いぶん防塵性・防水性も低いです。
私は雨の日は走りませんし、水洗い洗車はもしませんので今回非接触シールのものを選びました。
今回交換するベアリングはラジアルベアリングです。
ラジアルベアリングは軸に対して直角方向の荷重を支えるベアリングです。
BBのベアリングは左のペダルを踏めば左のベアリングの左側に力がかかります。(右も同じ)
直角方向ではなく斜め方向に荷重がかかるということです。
ラジアルベアリングはある程度の斜め方向の荷重も支えることができますが、大きな斜め方向の荷重を支えるにはアンギュラベアリングが向いています。
アンギュラベアリングにすることで高耐荷重と長寿命を実現できると思います。
今回アンギュラベアリングを探しましたがENDURO製の高額なものしか見つけられませんでした。
ちなみに鬼ベアリングは非接触シールのラジアルベアリングです。
抵抗を減らすために犠牲にしている部分もあると思いますがラジアル非接触シールでも耐久性が確保できているということでしょうか。
BBベアリングの取り外し


理屈がわかっている方はホームセンターで部品を揃えて自作も可能だと思います
BBはフレームに付けたままベアリングのみを取り外します。
使用する工具は前回のベアリング交換時に購入したこちらのツールです。
Amazonが安いです。
SUPER B(スーパービー) ボトムブラケット リムーバー&インストレーション BB30/86 19002
メーカー公式Youtubeで作業動画も公開されています。
動画を見なくても付属する取取扱説明書のイラストを見るだけで使い方がわかります。
クランクを取り外し、ツールを使ってベアリングを引き抜きます。
簡単です。
反対側も同様に取り外します。

⓵クランクを抜きました、樹脂製カバーは後で外します

⓶セットしてスパナを固定し六角レンチを回します

⓷抜けました

⓸金具が内側からベアリングを押し出すしくみです
BBベアリングの圧入


今回樹脂製のカバー兼スペーサーもアリエクスプレスで購入しました。
届いたものは精度も良く、もともとついていたものと全く同じ寸法でした。
このパーツは脱着の際に変形しやすく、変形によって他の箇所がベアリングと接触していると抵抗となるため交換しておくと良いと思います。
取り付けるときは正面から押し込むのではなく中央に親指を突っ込んでベアリングに押し付けた後、押し付けた箇所から対角に向かって押し込むとスムーズに取付けできます。
購入したものはこちらです。1PC 6 25-24mm

シェルに当たってしまい押ししろが足りません

抜いたベアリングを重ねて再度締め込みます
ベアリングを圧入します。
手でツールとベアリングが落ちない程度に締め付けたら、六角レンチを回して閉め込んでいきます。
ここで少々問題があります。
両側からベアリングを押し込む円盤状の金具ですが、ベアリングより外側に飛び出しているBBシェルに当たってしまい押ししろが足りません。
よって、シェルに当たるところまで圧入した後、再度取り外したベアリングを重ねて圧入します。
まっすぐ挿入できていれば軽い力で入っていきます。
新しい樹脂製カバーをつけて、クランクを戻して完了です。
交換後のクランク空転の比較

交換前NSK(日本精工)の6805DDU(両面接触シール)ベアリング
KOYO(ジェイテクト)のは6805 2RU(非接触ゴムシール)ベアリング
※約100km走行しグリスが馴染んだ後に撮影
手で回しても明らかに軽いです。
付いているクランクはカーボン製、ペダルも両側で140gとかなり軽いので、わりとすぐ止まってしまっていますが、通常のアルミクランクとペダルだともっとクルクル回ると思います。
交換後の実走インプレッション

4本ローラーで試走です。(交換後すぐ、グリスが馴染む前)
脚で踏んでも明らかに軽いです。
漕ぎ出しが特に軽いですが中強度でも軽く感じます。
高負荷では体感が薄れますがそれでもいつもより回る気がします。
私の体感では「チェーンとギアを清掃してオイルを挿した後の軽さ」かそれ以上に軽いです。
実走です。
残念ながら交換してから日にちが立ってしまったことと風が強かったこと等からよくわかりませんでした。
4本ローラーのように同条件というのは難しいのでわかりづらいのかもしれません。
Elite Wheels Drive 40Vのベアリングも交換を予定しています。
おしまい