私は毎日、炭酸泉で入浴しています。
ロードバイクのパフォーマンスアップのほか生活の質の向上にも効果が大きいので紹介します。
炭酸泉とは

炭酸(二酸化炭素が水に溶けて発生する弱い酸)が溶け込んでいるお湯のことです。
炭酸は装置を使って発生させる方法と重曹とクエン酸を使う方法があります。
私は重曹とクエン酸を使って炭酸泉を使っています。
酸泉に浸かると体にどう影響するか

・炭酸泉に浸かると血中の炭酸濃度が上がり血管が拡張します
人間の体は吸気から酸素を取り入れ、口からは摂取した食物を消化・分解し作った栄養を血液に乗せて全身の組織に運んでいます。
組織で使われた酸素と栄養の老廃物として炭酸が生成され静脈を経由して呼気から排出されます。
炭酸泉に浸かることにより血中の炭酸濃度が上がると、体は「酸素と栄養が使われた!もっと送らねば!」と血管を拡張させます。
これが炭酸泉による血流上昇のメカニズムです。
※この作用は温水によるもの(血管内皮細胞の NO(一酸化窒素)の血管拡張作用)とは異なります。
炭酸泉の血管拡張は冷水でも作用します。
ロードバイクのパフォーマンスアップに関する効能

1.筋肉の代謝・老廃物処理能力が上がる
1000ppm炭酸泉(水温41℃15分)での入浴時の血流量は同条件の水道水と比較して約4倍になります。
血流増加により筋肉への栄養の供給量・老廃物の処理量が上がるためパフォーマンスアップにつながることが予想されます。
2.ヒートショックプロテイン(HSP70)が増える
1000ppmの炭酸泉(水温41℃15分)での体温上昇量は同条件の水道水と比較して約1.5倍になります。
時間差で増加するヒートショックプロテインも炭酸泉は水道水と比較して約1.5倍の上昇になります。
タンパク質は熱・紫外線・筋疲労など物理的ストレスや緊張・不安・恐怖などの生理的ストレスによってダメージを受け変性してしまいます。
ヒートショックプロテインはダメージを受けて変性したタンパク質を修復・再生、修復不可能なものは分解の促進を行い、身体が常に元気でいられるように働きます。
ヒートショックプロテインを増やしておくことで運動後の回復を早めることができるためパフォーマンスアップにつながることが予想されます。
3.睡眠の質が上がる
炭酸泉は水道水より深部体温を上昇させます。
深部体温が上がると身体は放熱して冷まそうとします。
そして深部体温が急激に上がるほど放熱も急激に行われます。(ズコーンと上がるとズコーンと下がる)
この急激な深部体温の下降はスムーズな入眠をもたらすとともに一番最初にやってくるノンレム睡眠の質を大幅に向上させます。
一番最初のノンレム睡眠は約90分と全睡眠時間にしめる割合は少ないですが「黄金の90分」と呼ばれ、副交感神経が優位になり自律神経が整うとともに成長ホルモン(hGH)が大量に分泌されます。
成長ホルモン(hGH)は骨や筋肉の成長の促進・修復だけではなく細胞のダメージの修復や新陳代謝を高めて疲労物質の排出を促します。
よってパフォーマンスアップにつながることが予想されます。
深部体温は平温に下がりきったタイミング(入浴後1.5~2.0時間)で眠りに入るのがベストです。
感じられた効果

「脚のダルさが減った」とか「筋肉痛が早く回復した」とかはよくわかりません。
ですが睡眠の質の向上に関してははっきりと体感できます。
私はガーミンウォッチで睡眠をモニタリングしていますが、ノンレム睡眠とレム睡眠の時間が増えてスコアがかなり上がりました。
HRV(心拍変動)の値も上がり、交感神経と副交感神経のバランスも良くなりました。
寝起きも以前よりスッキリしています。
注意点もあります。
高強度のライドをした日やお酒を飲みすぎた日は炭酸泉入浴をしてもスコアはいつもより下がります。
また睡眠時間が短くてもぐっすり寝れてスコアが高い日もありますが、これは睡眠時間が短くても良いということではありません。
睡眠の質と睡眠時間は別もので睡眠時間は確保した上で質の向上を目指す必要があります。
炭酸泉を作る方法とコスト

重量比でクエン酸1に対して重曹1.3を使用します。
下表の強の量を入れれば炭酸の飽和濃度(約1000ppm)となり最大の効果が得られます。
クエン酸 | 重曹 | 合計コスト | |
弱 | 100g | 130g | 51円 |
中 | 200g | 260g | 103円 |
強 | 300g | 390g | 154円 |
クエン酸300gと重曹390gは500mlの計量カップでこれくらいの量です。
容量はだいたい同じです。


左:クエン酸 右:重曹
作り方のコツと入浴するタイミング

1.作り方のコツ
クエン酸と重曹を同じ容器に入れて湯船に投入するとお湯の表面で一気に反応し二酸化炭素が抜けてしまいます。
できるだけ多くの炭酸を溶存させるコツがあります。
①まず溶けにくい重曹を浴槽に入れてよく溶かします。
②次にクエン酸をパラパラと全体に入れて優しくかき混ぜます。
③ゆっくり湯舟に入ります
2.入浴するタイミング
運動直後は筋肉に血液が集中しています。
入浴すると皮膚表面の血流が増えるため筋肉に流れる血液が相対的に減少し回復が遅れます。
下に書きますが炭酸泉入浴は血流増加効果が高いので注意が必要です。
できれば運動後は30分程度あけて入浴するほうが良いです。
食後も同様です。
お得に買う方法など

25kg入りの大袋を買うとかなり割安で購入できます。
クエン酸はAmazonが安いです。
25kgは「強」の量で毎日使うとクエン酸は83日分、重曹は64日分になります。
運動無しの日は「弱」、TSS150未満の日は「中」、TSS150以上の日は「強」など使い分けてみるのも良いかもしれませんね。
ちなみに私は毎日フルマックスの「強」です。
「強」だとシュワシュワして気持ち良いですし水面でパチパチはじける泡の音にも癒されますよ。
バスルームを真っ暗にしてキャンドルを灯すのもおすすめです。
おしまい