先日投稿した記事内の製品(VS200)が技適を取得していない製品であると指摘をいただきました。
THINK RIDER バーチャルシフトVS200の記事はこちら

技適という言葉は知っていましたが、恥ずかしながら電化製品の品質証明のようなものであろうという浅はかな認識でした。
調べたところTHINKRIDERが販売する無線通信を持つ製品の多くは技適を取得していないことがわかりました。(記事投稿時現在)
所持している下記記事のスマートトレーナーXXPROも同様なので使用をやめ、技適を取得しているCYCPLUS T2Hスマートトレーナーを新しく購入しました。
THINK RIDER XXPROの記事はこちら

技適とは?

「技適(ぎてき)」とは「技術基準適合証明」または「技術基準適合認定」の略で、日本国内で無線通信を行う機器(スマホ、Wi-Fiルーター、Bluetoothイヤホンなど)が電波法などの技術基準に適合していることを証明する認証制度です。
技適の目的は電波の混信や妨害を防ぎ、国民の安全な生活と電波資源の効率的な利用を確保することです。
違法な電波は一般の電波利用を含め、警察や消防・防衛などの通信を妨害して国民の安全に支障をきたす恐れがあるので規制しますよ、ということです。
この認証を受けた機器は「技適マーク」を表示して技術基準を満たしていることを証明します。
マークがない機器の使用や改造は電波法違反となり罰則の対象となる可能性があります。
こちらのサイト総務省電波利用ポータル(技摘マークのQ&A)がわかりやすいです。
技摘を取得しているかは同サイト総務省電波利用ポータル(技術技術基準適合証明等を受けた機器の検索)で検索できます。
「型式」でも検索できますがその文字列を含む別の製品もヒットするため、「氏名又は名称」で会社名を入力して検索すると探しやすいです。
なおブランド名ではなく会社名で検索する必要があります。(THINKRIDER→Wuxi Thinkrider Technology Co., Ltd.、CYCPLUS→Chengdu Chendian Intelligent Technology Co., Ltd.等)
実際のところ、自転車の手信号(合図不履行・道路交通法違反)などと同様で、技適取得なしのBluetooth機器使用(電波法違反)は罪になりますが、おそらく今まで検挙は1件も無いしこれからも無いでしょう。
よって、これは捕まらなくても法を守るという利用者側の意識の問題だということです。
「日本人、技適取ってない製品マジ買わねーぞ・・」と言われるくらいになればしめたものですね。
私のように電波法自体をちゃんと知らないという問題もありますが・・
CYCPLUS T2H スマートトレーナー

CYCPLUS T2HはBLDCモーター(ブラシレスDCモーター)が搭載されたスマートトレーナーの上位モデルです。
CYCPLUS公式ショップはこちら

BLDCモーターは従来のブラシと整流子を使わず、電子回路(ドライバ)で電流の切り替えを制御する高効率・長寿命な直流モーターです。
ブラシの摩耗がなく(非接触)、静かでパワフル、省エネで精密な制御ができるという特徴があります。
以前使用していたTHINKRIDER XXPROもBLDCモーターで感触が良かったので同じ仕様のモデルを選びました。
CYCPLUSのスマートトレーナーの中でBLDCモーターが搭載されているモデルはT3、T2、T2H、R200の4機種です。
BLDCモーターのほか、パワー精度(±1%)・バーチャルシフト対応・自己発電・下り坂シミュレーション(電源接続時)・BLU5.0&ANT+通信・2年保証は共通です。
すべての機種が技適取得済みです。
上記以外の相違点は下表のとおりです。
| 機種名 | T3 | T2 | T2H | R200 |
| 最大出力 | 2800W | 2200W | 2200W | 2200W |
| 出力データ | ケイデンス/スピード/パワー/左右バランス | ケイデンス/スピード/パワー | ケイデンス/スピード/パワー | ケイデンス/スピード/パワー |
| 最大勾配 | 27% | 20% | 20% | 19% |
| 最大トルク | 110N・m | 85N・m | 85N・m | 80N・m |
| 冷却ファン | デュアル | デュアル | デュアル | シングル |
| 設置面積(縦×横) | 52×69.9cm | 52×69.9cm | 51.6×52cm | 51.7×52cm |
| 設置高さ | 54.7cm | 53.5cm | 54.0cm | 46.5cm |
| 本体重量 | 19.4kg | 17.3kg | 16.6kg | 13.6kg |
| 付属品 | スプロケ ANT+レシーバ | スプロケ ANT+レシーバ | なし | なし |
T2HとT2と違いは足の折りたたみ機能がないこと、スプロケット・マット・ANT+レシーバーが付属しないことの2点が異なります。
T2Hは足が固定式で設置面積(幅)が小さく、隣に4本ローラーを設置している私には好都合です。
T2と比べて折れ曲がるヒンジが少ない分、剛性も高いような気がします。

CYCPLUSより
表にはないですが丸い見た目が特徴的なR200はT2Hの小型・軽量バージョンで性能はT2H・T2とほとんど変わりません。
冷却ファンがT2H(デュアルファン)に比べR200(シングルファン)という違いがあるため、長い目で見れば耐久性に差が出る可能性はありそうです。
今回はCYCPLUS楽天公式ショップで取り扱いが無いことから候補から外しました。

T2Hはバーチャルシフティング対応ですが、CYCPLUSから販売されているバーチャルシフター(BC2 Virtual Shifter)は技適未取得(記事投稿時現在)のため購入を見送りました。
同社のスマートファン(High-Power Smart Fitness Fan)も同様です。
問い合わせたところ技適申請手続き中とのこと(記事投稿時現在)、これは使ってみたいです。
接続と設定

PCとの接続はANT+とBlueTooth両方に対応しています。
T2H本体のファームウェアの更新や設定はCYCPLUSアプリで行えます。
1.体重と自転車の重さ
このアプリでトレーニングを行うときにだけ影響する指数です。
体重と自転車の重さの和が大きいほど抵抗が大きくなります。
一般的に体重が重い人ほどパワーの絶対値は大きいので、スマトレ負荷が体重が軽い人には大きすぎる、重い人には小さすぎるのを調整してくれるのだと思います。
※一応入力してありますがZWIFTには全く影響しません
2.チェーン伝達係数
スプロケットを回すスマートローラーはペダル型・クランク型・スパイダー型などのパワーメーターと比べて、チェーンの駆動ロスがあるのでその分パワー計測値が減ります。
これはその分を割り増す指数で仮にスマートトレーナー計測値が200Wだと200÷0.97=206.186W(103.09%)となり206WがZWIFTに送信されます。
デフォルトは97%で94~100%で調整できます。(小数点含む)
チェーンやスプロケットの状態で変えてくださいということだと思います。
個人的にはたすき掛けの損失が大きいと思っていますけどね。
3.下り坂係数・登り坂係数
ZWIFT内の勾配(下り・上り)でどれだけ負荷を上下させるかのデータはZWIFT側から送られますが、そのデータを何パーセントで反映させるかをそれぞれ設定できます。
デフォルトは下り60%・上り100%です。(100%が最高)
下りが60%なのはアシストが掛かり過ぎてペダルがスカスカになるのを防ぐためだと思います。
ZWIFT側でもスマートトレーナー負荷を調整できるので、負荷はZWIFT側×CYCPLUSアプリ側の掛け算になります。
4.ERGモードパワー平準化
ワークアウトなどでERGモードを使う際、パワー表示の変化が滑らかになります。
変わるのはパワーの表示およびZWIFTに送信されるパワー値だけで負荷変動が滑らかになったりはしません。
実際は小刻みに変動するパワーを何秒かで平均したものを現在のパワーとしています。
ワークアウト後のグラフはむちゃくちゃキレイになって気持ちいいのですが、ワークアウト中に表示されるパワーも明らかに実パワーと乖離します。
踏んでもパワーが上がらない、緩めても下がらない・・
表示上は滑らかになりますが、実際の出力とのズレを感じる場面もあり、好きじゃないので私はオフにしています。
まあ全体的に見ればほとんど変わらないし、ワークアウトだからこれでいいのかもしれませんけどね。
インプレッション

1.静穏性
十分すぎる静かさです。(XXPROといっしょ)
電車が発車するときのようなモーター音が少ししますがチェーンの音の方がはるかに大きいです。
2.実走感
やはりKICKRなどのベルト式+フライホイールより好みの感触です。
重いフライホイールを回さないので漕ぎだしが軽く、実際のロードバイクの踏み出しに近いです。
XXPROと同じで車体が左右に揺れるアソビがありガチガチではないので立ち漕ぎがしやすいです。
そしてZWIFT平坦箇所でペダリングを止めた際のフライホイールの空転と減衰がリアルでかなり現実に近いと感じました。
かなり長い時間カラカラと空転します。
3.自己発電モード
XXPROと同じでハブを回すと自動的に電源ONです。
負荷がかかるのはペダルをまわしているときだけで、フライホールは常に「発電モード」になっているためすぐに止まってしまいます。
自己発電モードをオフにできないのも同じです。
下り(勾配がマイナス)になってもフライホールにアシストはかかりません、そしてXXPROほど軽くなりません。
気になった点として、BlueTooth接続だとペダルを止めるとすぐ接続が切れてしまいます。
ペダルを回すと再接続されますが、そこそこ時間が掛かります、放置したパワーメーター再接続より長いです。
ANT+接続だと接続は切れませんが、ペダルを踏みなおしてパワーが上がるまでは少し時間が掛かります。
要するにペダルを回し続けなければいけません。
私は常に電源接続なので問題ないですが、このモードの使用感はあまり良くない思いました。
・安定性

それぞれの足の両端は回転させて高さが調整できる仕様になっており、ガタつきを取れるようになっています。
さらに調整した足は回転して高さが変わらないように二重締め付けできるようにになっています。
私の1000Wいかないスプリントではビクともしません。
最大負荷は2200Wなのでしっかり作られているのだと思います。
パワー計測精度の比較(デュアルレコード)

クランクスパイダー型パワーメーターSIGEYI AXO SLとデュアルレコードでパワー精度を比較してみました。
SIGEYI AXO SL導入の記事はこちら

KICKR COREでデュアルレコードを取った記事はこちら

XXPROレビューとデュアルレコードを取った記事はこちら


Zeal Japan Friyday Race(B)で比較です。
いい感じにそろっているように見えるのですが・・

300Wを超えたあたりから誤差が大きくなり始めています。
SIGEYIよりT2Hの方が5~7%低い感じです。
XXPROとデュアルレコードしたときは、ほとんど誤差が無かったのでSIGEYIの方がずれている可能性は低いです。
5秒のズレは50Wです、これではスプリントで勝負になりません。
レースで勝てなかったのはこのせいか・・(違う)
高出力域を再テストする

検証データが一つでは再現性があるのかわかりません。
誤差が大きいのは300Wを超えてからの高出力域であるため、500W・400Wで再テストを行いました。
上の接続と設定で書きましたが、CYCPLUSのスマートローラーはアプリにチェーン伝達係数という項目があります。
全体的に下ズレしているわけではありませんが、この係数の調整で改善するかも合わせてテストしました。

左から500W・400Wを1セットで、チェーン損失係数97%、95%、94%の順です。
前回と同じT2H+ZWIFTとSIGEYI AXO SL+Edge840solarでの計測です。

最初のデュアルレコード(Zeal Japan Friyday Race(B))ではわかりませんでしたが、低出力域は逆に上ブレしていることが確認できました。
97%での誤差は前回と同じくらい、高出力域は下ブレ・低出力域は上ブレでその差は約9%です。
95・94%では全体的に出力の絶対値が上がるだけ、測定精度が改善されたわけではなく差9%は変わりません。
これはチェーン損失係数では修正は不可能だということです。
CYCPLUSに問い合わせる

±1%のパワー計測精度をうたっているT2H、これだけ誤差が大きいとレースでは当然使えませんしワークアウトでも狙った効果を得られません。
個体差による可能性もあるので交換可能か、購入したCYCPLUS楽天市場店に問い合わせを行いました。
・上記で実施した比較検証で再現性のある乖離が確認されたこと
・過去のスマトレ(KICKR CORE、XXPRO)でのデュアルレコードではこのような乖離は見られなかったこと
・レースとワークアウト用途で高出力域のパワー精度が重要なこと
・比較データ提出も可能であること
を伝えました。
「技術部門で確認・検証をしたいので、T2HとAXOのFITファイルの提供をお願いしたい」と返信があり、FITファイルの送付と検証条件の説明を送りました。
「技術部で詳細確認を行ったところ、キャリブレーション係数の個体差により、外部パワーメーターとの間に一定の数値差が生じていることが確認された」と返信がありました。
「今回の件については精度改善対象として記録し、アップデートにて順次改善を進めていくが、間もなく工場の長期休業期間に入るため検証および更新には相当の時間が必要」
※中国は「春節(旧正月)」で2月15日(日)から2月23日(月)までの9連休です
「トレーニングでパワー精度を重視される中、お待たせてしまうことが大変心苦しい、お詫びとして全額返金にて対応させていただきたい」
とのことでした。
上の「」内は簡潔な形に要約してしますが、実際はこれ以上ない丁寧な文章でユーザー目線に立って対応してくれていると感じました。
そして個体差があることを認めたうえで全額返金対応です。
一般的には交換や修理対応となるケースも多い中で、CYCPLUSの対応はめずらしい印象です。
全額返金の提案はありがたかったのですが、「今回の件が個体差によるものなら別個体を試したい、その個体も誤差が大きかったら返金対応を相談させてほしい」と返信しました。
しかし
「個体差による問題が払拭できない、アルゴリズム改善・再キャリブレーションを行い、より高精度な個体の提供が可能になった際に連絡する」とのこと。
そして
「全額返金するが手元にある製品は返送不要、トレーニングにお役立てください」
とのこと。
ありがたすぎる・・
今回の対応への感謝に加えて
・新しい個体が供給できるようになったら連絡してほしいこと
・設置スペース、BLDCモーター、技適対応といった点から、引き続きT2Hを使用したいこと
を伝えました。
あわせて、本ブログのT2Hのレビューは今回のやりとりも含めて記事にしても良いか確認しましたが快く承諾をいただきました。
T2Hパワー精度誤差対策

高出力域では誤差が大きく、レース用途・ワークアウトでの厳密な出力管理には外部パワーメーター併用が前提になりそうです。
レースは問題ありません、問題はERGを使うワークアウトです。
パワーソースをAXOにするとAXO→ZWIFT→T2Hと信号がブリッジするためERGの反応が遅く不安定になります。
踏み切れず低ケイデンスになったとき少し負荷が軽くなる応急復帰アルゴリズムも働きにくいです。
よってERGは不可、ギアチェンジかバーチャルシフトを使用します。
バーチャルシフト??
できるんです。

画面上中央UIの横に+-を押したときだけバーが出ます。
この機能はワークアウトのERGオフ時のみ使用可能、テンキー+と-でトレーナー負荷を24段階で調整可能です。
長押しで高速上げ下げも可、最高の24ではかなりの負荷がかかります。
インナーでもインターバル可能、しかもスマトレの反応も割と早いです。
8BitDo microにワークアウト専用の+ - pg up/dn tabなどを入れたプロファイルをスマホで作ってsyncすればすぐに使えます。
8BitDo microをZWIFTショートカットに割り当てた記事はこちら

8BitDo microで画面設定一発ボタンを設定した記事はこちら

おしまい




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