ワイドリムのリムブレーキ用カーボンホイール、parcours GLIMPEUR41mm(パルクール グランペール41mm)を購入したのでレビューします。
このホイールの特徴

全体の仕様です。
| フロント | リア | |
| リムハイト | 41.0mm | 41.0mm |
| 最大リム幅 | 29.5mm | 29.5mm |
| リム内幅 | 22.5mm(hooked) | 22.5mm(hooked) |
| ハブモデル | Parcours road rim | Parcours road rim |
| ドライブの機構 | – | Star ratchet (36T) |
| ベアリングサイズ | 2 x 6803 | 1 x 6803 + 1 x 17287 1 x 6802 + 1 x 15267 (freehub) |
| 重量 | 575g | 720g |
| スポーク | Alpina Ultralite Aero(20本) | Alpina Ultralite Aero(24本) |
| スポークの組み方 | Radial | 2-cross (DS/NDS) |
| スポーク長 | 270mm | 278mm (DS) / 282mm (NDS) |
| 推奨バルブ長 | 60mm | 60mm |
・ワイドリム
GLIMPEUR41mmのリム内幅は22.5mm、最大リム幅は29.5mmです。
最近のディスクホイールはリム内幅23mmや24mmのものもありますが、全体的に見るとこれは広めの設計です。
リムブレーキ用ではここまでリム幅の広いホイールは他にありません。
ディスクブレーキと比較したときのリムブレーキの欠点は主に制動力とリム幅の制限です。
晴天時であればリムブレーキでもホイールがロックするくらい効くので制動力の限界値は変わらないような気がしますが、リム幅はリムブレーキキャリパーの可動域限界があるため制限を受けざるを得ません。
ロードバイク市場のディスク化にともない、新しいワイドリム用のリムブレーキキャリパーは今後開発・発売されないため、今現存するものを使うことになります。
ほとんどのリムブレーキキャリパーの対応リム幅は28mmまでです。(もっと小さいものもあるかも)
GLIMPEUR41mmの最大リム幅は29.5mmですがブレーキトラック(ブレーキパッドが当たる面)の外幅は27.9mmになっておりリムブレーキキャリパーとの互換性を確保しています。
リムはフックとチューブレス対応です。
・エアロ性能

ワイドリム化にともないエアロ性能が大幅に向上しています。
上グラフは同社のPassistaというリム内幅19mm、最大リム幅27.5mm、リムハイト56mmのリムブレーキホイールとの比較です。
GLIMPEUR41mmはPassistaと比較してリム高が15mm低いにもかかわらず25mmタイヤ装着時で0.5W差に肉薄、28mmタイヤ装着時では1.5W上回っています。
形状的にも横風の影響も受けにくそうです。
リムブレーキ用ホイールはディスクホイールと比べて、リム幅の制限からこのようなエアロ効果を得られないディスアドバンテージがありましたが、GLIMPEUR41mmはその差を限りなく小さくなるように設計されたホイールです。
でもこれはエアロ的にディスクホイールに近づいたという話であってディスクホイールを超えたということではありません。(内幅19mmのディスクホイールよりはたぶん速い)
より速く走りたい人はさっさとディスクロードに乗り換えた方が幸せになれるでしょう。
・走行性能
ワイドリム化にともないタイヤの空気圧を下げることができます。
またタイヤとリムの位置が最適化され、荷重がかかった際のタイヤの変形が少なくなります。
これにより、転がり抵抗の低下、グリップ性能の向上、乗り心地の向上が期待できます。
特徴その他

・36Tスターラチェットドライブ
パルクール自社設計の新型36Tスターラチェットハブが搭載されています。
説明には素早い噛み合いと長期的な耐久性、接触面積の増加による滑りの低減が期待できるとあります。
これはDT-SwissのEXPハブとよく似た構造ですね。

Dt-Swissより (上) EXPシステム (下)従来のラチェットシステム
メリットは部品数が減ることによる軽量化、内側のラチェット固定によるガタ低減など、工具無しでメンテナンスできるのも同じ、いわゆる今トレンドのハブシステムです。
正直、空転時の抵抗はツメ式ラチェットの方が少ないと思います。
スターラチェットは初めてなんですが違いが感じられるかな?
・スチールスポーク
Alpina Ultralite Aeroというスチールスポークが使われています。
フロントはラジアル(20本)、リアは2クロス組(24本)です。
質実剛健という感じです。
長さによりますが1本4.3gとサイトにありました。
最近はカーボンスポークのホイールが増えてきました。
カーボンスポークは強度があって軽いです。
スチールスポーク(CX-Ray4.7g)と比較してカーボンスポーク(gen3VONOA2.8g)は6割ほどの重量、最新のgen4VONOAスポークは1.8gしかありません。
いいことずくめですが私にとってカーボンスポークは乗り心地が良くない印象があります。
これはスチールスポークのキシリウムエリートからカーボンスポークのElite Wheels Drive 40Vに変えたときに感じました。
まぁこれはだいたいの人が感じていることだと思います。
大げさに言うとカーボンスポークは張り詰めた弦のようなパリっとした乗り味。
一方、スチールスポークはしっとりとした地面を舐めるような乗り味です。
私はこのスチールスポークの乗り味が非常に好みでスチールスポークのホイールにまた乗りたいと思っていました。
なおカーボンリム+スチールスポークの組み合わせは初めてです。
・軽量性
スチールスポークですが、カタログ重量前後合計1295gと軽いです。
今は1000gを切るホイールもあるので突出した軽さではないですが、今まで使っていたElite Wheels Drive 40V(実測1273g)とほとんど変わらない軽さなのは嬉しいところです。
・セラミックベアリング(オプション)

標準ではEZOスチールベアリングがセットされています。
EZOは北日本精機㈱のブランドです。
日本製のベアリングを選ぶとはセンスが良いです。
日本のベアリング大手トップ3は日本精工(NSK)、NTN、ジェイテクトですが、北日本精機はその次くらいに大きい会社、特に小径ベアリングを得意としています。
私は今回セラミックベアリングへのアップチャージを行いました。
パルクールのすべてのホイールはアップチャージでセラミックベアリングがセットされたものを購入できます。
フロントのみ、リアのみ、ハブのみも可、価格は工賃込みです。
HPには「大手ベアリングメーカーとの提携と徹底的なテストプログラムを経て開発したオリジナルベアリング」とあります。
ポン付けではなくちゃんとテストして開発しているようです。
HPに記載はないですがベアリングのシール部には「TPI」の刻印があります。
TPI(トゥンペイ・インダストリアル)は台湾トップのベアリング企業で日本のNTNと技術提携を行っています。
ベアリングのアップチャージのほかにハブのカラーチェンジやレーザーエッジング、リムのカスタムグラフィックなどもできます。
parcours(パルクール)について

・会社概要
パルクール(Parcours Velo Ltd)はイギリスの会社です。(parcoursはフランス語で道のりの意味)
ぜんぜん知らない会社でした。(ごめんねパルクール)
HPの「私たちについて」にはこう書かれています。
プロのアスリートであっても、週末にカフェでサイクリングを楽しむ人であっても、自分に合ったスピード、パフォーマンス、苦しみ、喜び、情熱の組み合わせを見つけることが、サイクリングの真髄です。
はい、共感しかありません。
ガチめの競技者に的を絞った他ブランドとはちょっと違い、柔軟性を感じますね。
私たちの役割は、サイクリングの旅のどこへ向かうにせよ、あなたの「スリル」を見つけるお手伝いをすることです。速く走れば、それはエンドルフィンの分泌量の増加を意味し、より幸せで健康なあなたへと導きます。
はい、その通りです。
速い=幸せ、幸せになるために走っています。
他には公正さ・挑戦・技術力・コストパフォーマンス(適正価格)・エアロ・高品質・誠実などの言葉がならびます。
サポートしているライダーはトライアスリートが多いです。
UCI女子コンチネンタルチームもサポートしています。
・技術面

特にエアロに力を入れています。
「どうせENVEとかDT Swissとかには勝てないんでしょ」と思ったあなた(私含む)
そんなことはないんだな~
porchours Strade (49/54mm)の空力はENVE SES4.5(49/56mm)と僅差というテストデータが出ています。
ちなみに価格差は2倍以上あります。
パルクールすごいんだな~
主要タイヤブランドと組み合わせたときのテスト等もしています。
Vittoria Corsa Pro Speed、Continental GP5000 TT、Continental Aero 111がトップ3ぽいです。
・ラインナップ

ロード用ホイール(リムも有)・グラベル用ホイール・トライアスロン用ホイールがあります。
価格は上記性能のわりには安いのではないかと思われます。
上に書いたporchours Strade (49/54mm)は225,000円くらいです。
(100g軽いけどENVE SES4.5(49/56mm)は50万円します)
・割引とセール
「しません」と断言しています。
よくある質問の回答にはこう書かれています。
すべてのサイクリストにとって可能な限り手頃な価格を維持することを目指しました。
価格を一定に保つことを目指しており、セール期間中に慌てて決断するのではなく、ご都合の良いタイミングで安心してご注文いただけます。
こういうの好きです。
なお、ポンド/円のレートでの価格の変動はあります。
購入から到着まで

Parcours公式サイトから購入しました。

GLIMPEUR41mmが216,000円、セラミックベアリングへのアップチャージが42,000円くらいでした。
高っ!なんでオワコンのリムブレーキホイールに26万も出すんだ?
Nepest NOVA買ってもおつりがくるぞ!
リムブレーキなんてオワコンなんだからさっさとディスクロードに・・
という声が聞こえてきそうですがすが私はもう少しリムブレーキで遊ぶつもりです!!
5月末に注文、商品ページには「7月上旬発送」とあり、注文後に「発送予定日は7月7日の週になる」とメールが来ました。
7月17日に発送したとメールがあり7月22日に到着しました。
注文からだいたい2か月・・待ちました、受注生産なのかな?
追加で支払った関税は17,280円だったので、支払い合計は275,000円くらい、ちょっと高いですがリムブレーキ最後のホイールになるでしょうから良しとします。
重量と付属品

・重量
実測重量はリムテープ無しでフロント596.5g、リア698.5gの合計1295gとカタログどおりでした。
付属のリムテープを前後で18g使用したので1313gになりました。
後に書きますがバランスウエイトを20gほど付ける予定なので最終的には1333gくらいになると思います。
・付属品

・クイックリリース
・チューブレスバルブ×2
・リムテープ
・専用ブレーキシュー2ペア
・おまけ(補給食の試供品)
クイックリリースはペアで118gでした。
ナットのネジ切り部はアルミですがしっかりした作りに見えます。
私は実走時、DT Swiss RWSとデュラのナット(スチール)の組み合わせで使用しています。
RWSは締めすぎるとアルミのナット側のネジ山がやられて締められなくなります。
予備のナットは準備していますが締めるたびにネジ山が削られていると思うと精神上良くないのでこの仕様にしています。
なおデュラのナット(スモールパーツ)は絶滅危惧種なので店舗で見つけたら買った方がいいです。
なのでこの付属のクイックリリースはローラー用か予備になりそうです。
専用ブレーキシューは少し走ってから交換して試してみようと思います。
現状はシューはカンパのBR BO500X1を使用しています。
たぶんカーボンホイール用シューの中では一番効きが良いと思います。
リム幅の実測

外周8~10箇所ほど測定した実測値と中央値です。
| 範囲(mm) | 中央値(mm) | ||
| リム外幅 公称値29.5mm | フロント | 29.30~29.40 | 29.35(-0.15) |
| リア | 29.20~29.37 | 29.30(-0.20) | |
| リム内幅 公称値22.5mm | フロント | 22.95~23.14 | 23.05(+0.55) |
| リア | 22.95~23.15 | 23.10(+0.60) |
※ ( )は公称値との差異
GLIMPEUR41mmのリムプロファイル公称値は、最大リム幅29.5mm、リム内幅22.5mmですが、最大リム幅は0.15~0.20mm狭め、リム内幅は0.55~060mm広めでした。
リム内幅は23mmと考えた方がよさそうです。
ブレーキトラック面のハブ側がリムの最広箇所となっており、タイヤ側にむかって徐々に狭くなるテーパー形状になっています。
ブレーキトラック面の端(タイヤ側)の外幅はおおむね28mm程度でした。

外幅29.35mm→28mmなのでパっと見ではテーパー形状なのは判らず、真っすぐに見えます。
フックの立ち上がり部は薄く、フック自体も小さめです。
スポークホールはハブの接合方向に角度が付いています。
スポークテンション・振れ・ホイールバランス

・スポークテンション
スポークテンションメーターはパークツールのTM-1を使っています。
付属の換算表にはデータが無いのでパークツールホイールテンションアプリで換算値を求めました。
私はホイールの振れ取りとスポーク交換はしたことがありますが、一からホイールを組んだ経験はありません。
なので、ここはあまり詳しくない分野です。

※フロント
平均張力は左97.11kgf、右101.6kgfでした。
フロントは100kgfが基準のようなので概ね基準通り、バラツキも10%の範囲内でした。

※リア
平均張力は左51.37kgf、右(ギア側)120.49kgfでした。
リアは左50-100kgf、右(ギア側)90-150kgfくらいが基準のようなので少し緩め、バラツキ10%に入らないものが3本ありました。
1番のスポークが触ってもわかるくらい緩い、これは少し乗ってからでも調整しようと思います。
カーボンスポークのDrive 40Vはリムテープを剥がしてリム内側から調整をする必要がありますが、GLIMPEUR41mmのニップルは露出タイプ、調整は簡単に行えそうです。
(ニップル露出によるエアロ損失はかなり少ないそうです)
あとアロスポークの向きが傾いているものが4本ほどあったので修正しました。
いつもこいつを使っています、めちゃ便利です。(テンション調整時は必須)

・ホイールセンターと振れ
ホイールセンターはきっちり出ており、振れも縦横ともほぼありませんでした。
きちんと組まれています。
・ホイールバランス
タイヤ・チューブを装着した段階で、フロントリアとも10gのウエイトが必要なようでした。
これは後日調整する予定です。
作りや仕上げ・見た目ほか

リム側面はマット仕上げ、ブレーキトラック面のみ3Kカーボン柄となっています。
マットですが角度によってはUDカーボンの繊維模様が少しだけ見えます。
3Kカーボン柄は斜め方向にギザギザになっておりオシャレです。
一番薄いであろうリム側面ですが、強く押すと少したわむ感じはしますがペコペコする感じはありませんでした。
デカールは「parcours」と「grimpeur」でバルブホールから両側90°の位置に配置されています。
シールではなくプリント?反射するラメが入った光沢のあるものとなっています。

バルブホール部は細いラインとリムハイトである「41」の数字、パルクールのロゴ、CLASSIC SERIES(?)がグレーがかった白でプリントされておりアクセントとなっています。
シンプルなデザインで私の好みです、チューブ交換時はバルブホールがどこか分かりやすく良いと思います。


フトントハブはあまり見ないうす形状でスポーク保持部が張り出さない形、リアは一般的な形だと思います。
どちらとも中央に1箇所「parcours」の文字があるだけのシンプルなデザインです。
スターラチェットの音は少し大きめで「ンゴァーーーーー」です。
ハブを持って回すとスターラチェットが左右に動いているせいか結構な振動が手に伝わってきます。
あきらかに爪式ラチェットより抵抗は大きいです。

フリーは工具無しで手で引っ張ると外せるシンプルなもの、中のセラミックベアリングのレースは黄色でした。
グリスは赤で少なめ、外側には黒いゴムシールがあり防塵・防水性が確保されています。
今回はここまで、次回は取付・インプレ編の予定です。
おしまい








コメント